3 監査・検査にあたっての注意事項
(1) 収 入
小中学校関係の収入は殆どないのが普通だが、給食費、学年学級費等の学校集金についても公費に準じて厳正に処理する。
(2) 支 出
正規の手続きにより、予算に基づいた支出を行う必要がある。会計法規や、予算の内容に合致した支出であっても、最小の経費で最大の効果をあげるよう努めていないとみなされる、いわゆる無駄使いは不当事項として指摘される。
現在ある物品で充分間に合うのに新しい物品を購入したり、せっかく購入した物品を有効に使用せず、遊休化したり、翌年度以降購入しても間に合う物品を購入したりするのはこの例である。
支出に関して直接的な帳票の他に、それを裏付ける記録や証拠も整備しておくことも必要である。
(3) 契 約
物品の購入契約または工事の請負契約などを締結するときは、その購入価格、または契約高が不当にならないように心掛ける必要がある。これを防止するため一般競争入札によることを原則としているが、特例の場合に限って指名競争入札、随時契約、せり売りなどが行える。
学校では、少額の購入が多いので随意契約による場合が多いが、購入価格には常に意を用い、不当に高いものや不良品には注意しなければならない。
(4) 現金監査
現金監査は現金出納についての監査で、現金出納簿と現金有高との照合を第一の目的として、現金出納簿を中心に監査する。
学校では市町村予算にかかる公金はほとんど現金を取り扱わないが、給食費、学年費、PTA会費等金額も多額になるので、その区分、出納には特に注意をすること。
(5) 物品監査
物品監査は物品出納についての監査で、物品台帳(備品検査一覧表)と現品との照合が主たる目的である。
監査をうける心得としては先ず登録もれを無くすことが必要である。また、物品の所在が不明であったり、滅失していたり、処分済みになったりしないよう注意する必要がある。
管理区分に従って各責任者を決め、年2回(9月、3月)すべての物品について点検をすること。
(6) 国の負担金・補助金
国の負担金、補助金の対象になった経費については、市の監査委員による監査以外に会計検査院の検査、関東財務局の調査等を受けることがある。
国の負担金、補助金等の交付申請書、実績報告書の作成等は学校が直接行うことはないが、その基礎となる資料の提供は求められるし、会計検査院の実地検査の対象となることもある。また、関東財務局の調査では、教員の給与、旅費等を中心にほとんどすべての帳票の実地検査が行われる。
これらの検査で特に注意しなければならないのは、負担金、補助金の額の算出に用いる基礎数値の誤りである。児童生徒の数、学級数、校舎の坪数をはじめ教職員給与に関係するものなど、常に正確を期しておきたいものである。
なお、監査等の結果、是正はもちろん損害賠償のあることも忘れてならない。
※補助金で購入した物品はみだりに処分しない。