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(7)払出

  払出とは、台帳に登録して受入れた図書を除籍して、蔵書でなくすこと。

ア 払出の作業の流れ

イ 払出の種類

種  別 内     容
亡失払出 亡失者が誰であるかを問わず、現物が完全に紛失されてしまったとされる場合。
廃棄払出 現物は存在するが、図書の資料的価値を考慮していたずらに棚ふさぎになることを避け、資料の更新を図る目的で払出するもの。
破損払出 中味の一部が脱落したり、表紙が再製本も不可能となった図書の払出。
寄贈払出 他の図書館に対し、寄贈するための払出。
交換払出 他の図書館と図書を交換する目的で払出すること。
数量更正払出 購入し、一度登録された資料を分冊合本するために払出すること。
保管転換払出 会計主体を同じくする団体相互において保管を転換するために払出すること。学校の合併、分校の独立などの時に適用される。

ウ 払出のめやす

 

外形的

・補修または再製本に耐えないもの

・本文またはページの一部をなくしたもの、あるいは切り取られたもの

・重複図書

内容的

 

・その図書館の利用層に適さないもの、また、ごくたまにしか利用されないもの

・内容の古くなったもの

利用的

 

・利用もされないし、レファレンスとしても役立たないもの

・5年以上も利用された形跡のないもの

飯田市学校図書館においての具体的な払出のめやす

① 旧仮名使いの図書

② 受入れ年月日が昭和年代以前の図書

③ 背が日に焼けて読めなくなっている図書

④ 補修または再製本に耐えない図書

ただし、③④については、5年以内に購入した図書でよく利用されているもので補修して使用できそうなものは補修して使う。

⑤ 記述されている内容・資料・表記などが古くなり利用価値が失われた図書

・ 新しい独立国、新型ウィルス等時代の変化と共に記述が古くなったもの

・ 地図帳で、市町村合併等により地名が変化し、地図の形も変わったもの。

例)更埴市+戸倉町+上山田町→千曲市

山口村(長野県)+中津川市(岐阜県)→長野県・岐阜県の地形が変化

・ 伝記 コロンブス 「新大陸発見」→「新大陸に到達」

・ 書かれた表題や内容に人権上の問題のあるもの。

・ 政党・時事問題関係書 発行されてから3年以上経ったもので現状とあわないもの

・ 旅行案内書 発行されてから3年経ったもの

・ 学習参考書 発行されてから3年経ったもの

・ 就職・受験・教育全般 発行されてから2年経ったもので現状と合わないもの

・ 自然科学、工業 発行されてから3年経ったもので、説明が古くなったり、流行遅れになっているもの

・ 産業 発行されてから5年経ったもの

・ 美術、音楽 カラー図版の褪色や、5年経ったもの

・ スポーツ関係 ルールが改正されたものや、用具など古くなったもの

⑥  同じ図書が何冊もあるが、利用頻度が著しく低い場合

保存分1冊を除いた図書は廃棄する。

⑦   ジュニア朝日年鑑・現代用語の基礎知識・理科年表・国勢図会・世界図会・ギネスブックといった年鑑・白書(年次刊行物)

5年分保存し、それ以前の図書は廃棄する。

⑧   原則として払出しをしない図書

・郷土資料

・貴重書

・自校関係図書・資料

エ 払出の方法

(ア)学校長の許可を得て払出を行う。

a 「学校図書館廃棄基準」p10-57【資料1】、「払出のめやす」を参考に選書し、主観に払出し図書を選ばない。

b 廃棄払出については特に周囲の理解を得る。

c 払出した図書については、必要に応じて新しい図書資料の購入準備を計画的に行う。

d 少なくとも年1回は行うように、日頃から少しずつ館内の見直しを進めておく。

(イ)カードの扱い

a 除籍番号欄へ年度ごとの通し番号をつける。

b 除籍年月日を記入する。

c 記入後のカードは除籍簿として5年間保存し、

5年間経過した不在図書カードと共に処分する。

(ウ)図書の登録印の上に赤で除籍印を押す。

(業者に直接持って行く、ばらばらに解体するなど確実に処分する場合には押さなくてよい)

(エ)払出し

a 学級文庫や教科で使えそうな図書は、カードの除籍処理をし、図書に除籍印を押した後、学級文庫や研究室へ入れる。

b 使えない図書は、本の装丁を崩すなど配慮し、しばって資源回収に出す。

c 雑誌は必要に応じて廃棄する。理科など必要な教科等があれば引き取って利用してもらう。

d 生徒への還元も可とする。例としては、希望者に配布、くじ引き大会、切り抜き大会など。ただし、公平になるように全校の児童・生徒に呼びかけるなど配慮する。

e 亡失払出し後、不在図書が返却された場合

(a)  カードを作り直す。

(b)  台帳を作り直す。

・ 登録番号を新たにつける。

・ 台帳の上部へ『再登録』と赤字で記入する。

・ 価格は0円とする。

(c) 蔵書としない場合は処分する。

(オ)台帳

a 該当する図書の記入事項に朱で線を引いておくとよい。

b 消された登録番号は、永久欠番となる。

飯田市小中学校図書分類表

【別紙1】

平成26年10月改訂版

飯田市小中学校図書分類表

各小中学校図書館では、この分類表に基づいて分類する

0総記

000 総記

※調べ学習ガイドブック等もここに

007 情報科学

※コンピュータはハードもソフトもここに

010 図書館・読書

 ※読書感想文は810でなくここに

020 図書(製本・出版)・図書の目録

030 百科事典

※学習百科・図鑑は全巻通して索引がついたらここに

※索引がない場合は、それぞれの主題に

040 雑著

※なるべく各主題で分類するがどこにも入らないもの

050 一般年艦・雑誌

※雑誌は主題分類しない

※「現代用語の基礎知識」等はここに

060 博物館

070 新聞・ジャーナリズム

※学校新聞の作り方はここに

080 全集・叢書

※どの分類にもはいらない全集、 シリーズはここに

※「岩波ジュニア親書」「てのり文庫」等、終期を決めずに刊行されるシリーズ本は各主題の元に分類する。

1 哲学・宗教

100 哲学(思想・考え方)

140 心理学

※迷信、夢、占い、超能力はここに

150 道徳・教訓・人生訓

160 宗教

180 仏教

※お寺の本はここに

190  キリスト教

2 歴史・伝記・地理

200 歴史全般

※世界史はここにまとめる

※東洋の歴史・西洋の歴史もここにまとめる

210 日本史

220 アジア史

280 伝記 生まれてから死ぬまでの生涯のこと

※個人の伝記、人名録はここへ。

※主題でとったほうがよいものは主題へ。

 (例) モーツァルト→760      キリスト →190

  文学者、哲学家、宗教家、芸術家,スポーツマンはその主題のもとへ。

290 地理

※地理一般,外国地理,探検記,漂流記などはここに分類する。

291 日本地理

※修学旅行ガイドはここに

3 社会科学

300 社会科学全般・社会科・文化

※政治、法律,経済などを含んだ総合的なものはここに

310 政治(国会・議会・外交・人権)

※戦争と平和.国際連合はここに

320 法律・憲法

330 経済(人口・貨幣)・財政

350 統計・グラフ(国勢調査)

360 社会 (社会のしくみと問題,職業と就職,家族,社会福祉)

※蔵書が多い場合は三桁分類にしても良い。 進路366,福祉369

370 教育(学校教育・社会教育)

※学校生活、学習に関するものはここに

※「○年の辞典」のような学習参考書一般はここに

※学校新聞は070へ、学校劇は770へ、修学旅行ガイドは地理290へ。

※障害児教育はここだが、手話.盲導犬等社会福祉と考え、360に分類する。

380 風俗・習慣(祭り、年中行事、記念日)

388  伝説・民話・ことわざ・わらべうた

※民話・昔話のうちお話の要素の強いものは9類へ

390 国防・軍事(自衛隊)

※外交、戦争と平和は310に、戦争文学は9類へ

4 自然科学

400 自然科学全般

410 数学

420 物理(力・音・光・熱・引力・原子物理)

430 化学(火・水・空気)

440 天文・宇宙(天体観測・星・太陽系・暦)

450 地球 (気象・海・地震・山・化石・岩石・鉱物・地球)

460 生物・人間 (標本・天然記念物・微生物・進化と遺伝・人類学)

470 植物

※園芸は620に、山菜は650でなくここに

480 動物

485 節足動物(カニ・エビ・クモ・ザリガニ)

486 昆虫類

487 魚類・両棲類・爬虫類

488 鳥類

489 哺乳類

※蔵書が多いときは483無脊椎動物、484貝類・軟体動物も分類してよい。

490 医学(人体と病気・保健と衛生・薬)

※性教育の本は370でなくここに、メンタル心療内科は

140に分類する。

5 技術

500 工業(工場・技術)

※工作は750に、技術に関する発明発見はここに分類する。

510 土木(測量・道・橋)

※公害はここに分類する。環境に関する本・公害の蔵書が多いときは519を設ける。

520 建築

530 機械(工作機械・自動車・飛行機)

※原子力・原発はここへ

※自動車、飛行機は乗り物として一括して680へ

540 電気(ラジオ・テレビ・録音)

※コンピュータは007へ

550 海洋工学・船(造船所・灯台)

※船は乗り物として680へ

560 地下資源・鉱業(金属・石炭・石油)

570 化学工業(ガラス・セメント・ゴム・プラスチック・ナイロン・化学薬品)

580 製造工業

(紙・繊維・食品・家具・木工技術)

590 下記以外の技術・家庭科

594 手芸・装飾品・衣服・裁縫

596 食品・料理

※家庭医学は490へ

6 産業

600 産業

610 農業

620 園芸(果物・野菜・草花)・造園

※庭園・公園もここに

630 蚕糸業

640 畜産業 (家畜・肉・牛乳・卵・犬猫の飼い方)

650 林業

※山菜は470へ

660 水産業(魚・熱帯魚の飼い方)

670 商業(店舗販売・商品の流通・広告)

680 運輸・交通・観光業

※乗物をまとめてここに分類する。

690 通信・放送(郵政電話事業・インターネット事業)

※学校放送は370へ

7 芸術

700 芸術・美術

710 彫刻

718 仏像

720 絵画・書道

726 漫画・イラスト

※漫画の本は主題が明確なものは主題の下へ

 (例)「まんが日本の歴史」→ 210

※絵本はここでなくEへ

730 版画

740 写真・印刷

750 工芸・工作(おもちゃ・紙細工・やきものなど)

760 音楽・舞踏

770 演劇 (能・歌舞伎・人形劇・映画)

※アニメはここに(テレビアニメも含む)

※学校劇も370でなくここに

780 スポーツ・体育

786 アウトドアスポーツ(登山・つりを含む)

790 娯楽・あそび(茶道・生花・囲碁・将棋・カルタ)

※ゲーム・クイズ・パズル・遊びはここに。

8 言語

800 言語(ことば)

810 日本語(日本のことば研究・方言・会話・漢字)

※ロ一マ字はここに

8□0 外国語(□内は言語区分による)

※英語学習のための英語の本は830に

※英語の絵本はE(絵本)のところに

8□3 辞典類(言語区分による)

※国語、漢和、古語辞典などは813 ことわざ、風俗的なものは380へ

8□6 作文・文集

    ※読書感想文は010へ

9 文学

900 文学(内外の文学論)

908 世界文学全集

910 日本文学

911 詩・和歌・俳句 ※百人一首はここへ

912 戯曲  ※学校劇のシナリオは770へ

913 物語・小説・童話

※動物物語は主題や著者を考慮して分類する。

科学的傾向の強いものは   480へ

(例)ファーブル昆虫記→486 椋鳩十の著作→913

914  随筆・エッセイ・評論

915  手紙・日記

916 ノンフィクション

918 日本文学の作品集・全集・選集

92□ 中国・アジアの文学

929 韓国

93□ 英米文学

94□ ドイツ文学

949 ゲルマン文学

95□ フランス文学

96□ スペイン文学

97□ イタリア文学

98□ ロシア文学

99□ その他の諸文学

※外国文学も日本文学に準じ3桁分類とする。

(□内は文学区分による)

E 絵本

分類記号はEとする

N郷土資料

分類番号の前に別置記号Nをつける

(例)N210

B 文庫本

分類番号の前に別置記号Bをつける

(例)B913

雑 誌

原則として1年間保存する。

蔵書として貸し出しを行う場合には、登録する。(「こどものとも」「かがくのとも」など)

図書分類上の留意点

NDCを飯田市小中学校図書館に適用するに当たって考慮した点は、以下の通りである。

0類

030 百科事典の全巻通して索引のある物はここへ 各巻独立している物は、それぞれの主題の元に置く。

1類

100 哲学  西洋、東洋を問わず、哲学はすべてここに

160 宗教  仏教、キリスト教はそれぞれ180,190へ。神話は宗教に入れる。

2類

200 歴史全般 各国史の図書は少ないのでここに

210 日本史  時代区分なしでここへ

280 伝記  個人伝記、多人数の伝記

日本、外国を問わず伝記はすべてここに

文学者、哲学者、宗教家、芸術家、スポーツマンは主題の元へ

291 日本地理

3類

330 経済  340の財政もここに

360 福祉  手話、点字はここへ

370 教育 学校○○とつくものはここへ

388 昔話  お話の要素の強い物は9類へ

4類

420 物理  原子力はまとめてここへ

480 動物  この項は蔵書量が多い。部分的に3桁分類にする。

5類

510 公害、環境問題の本はここへ。蔵書が多い時は519を設ける。

6類

640  犬・猫・他の愛玩動物を共に扱ったものはここに。

7類

726 漫画   「学習漫画」はそれぞれの主題の元に その他はここへ入れて別置する。

750工作  500や370でなくまとめてここに分類する。

8類

830  英語だけでなく外国語をここに納める。英語の絵本はEに分類する。

9類

9類は膨大な数になるため、3桁分類とする。

 E 絵本

絵が多く大型で厚くないものでも、娯楽の要素の強いものは「790」へ分類する。

 

【参考1】迷いやすい分類例

【参考1】

迷いやすい分類例

書名 著者 迷う部分 考え方 分類
コミック版 プロジェクトX NHKプロジェクトX制作版 ノンフィクションか?マンガか? 歴史→日本→○○期 210
被爆者 60年目のことば 写真・文:合田法行 ノンフィクションか? 「戦争と平和」が主題 310
幸せを呼ぶ使者 盲導犬からリタイア犬へ 日野多香子 ノンフィクションか?動物か? 主題は「福祉」 369
空想科学読本 柳田理科雄 雑著か? 科学と表題にあるとおり、科学が主題 400
数字のモノサシ 寄藤文平 自然科学? 副題が「絵で見る数字の感じ方」 410
写真絵本 伊那谷の森の友だち 宮崎学 写真でとるか、絵本でとるか 知識絵本は主題の元へ 480
画文集 太陽の匂い 文:椋鳩十

画:原田泰治

絵画?文学? どちらでも間違っていないが、「画」に文を合わせてあるので「画」の方へ 720
『ワンピース』の秘密 北沢ワンピース研究会 雑著?エッセイ? アニメが主題なので、アニメへ 726
北島康介 夢、はじまる 折山淑美 エッセイ?ノンフィクション? スポーツが主題なのでスポーツへ 780
ウォーリーをさがせ! 作・絵:マーティン・ハンドフォード 絵本でとるか、娯楽でとるか 遊びの要素が強いものは790へ 790
時の迷路 作・絵:香川元太郎 790
ミッケ! 写真:ウォルター・ウィック 文:ジーン・マルゾーロ 790
翻訳のココロ 鴻巣友希子 エッセイか?フィクションか? 翻訳の話は「言語」 800
イソップ物語(ラダーシリーズ) ICBパブリッシング 英語で書かれているが? 英文は「言語」へ 830
○○○世界文学全集 (福音館古典童話シリーズ) バラバラに分類するか 全集としてまとめておく場合、分類図書記号は同じにする 908
怪談レストランシリーズ 編:松谷みよ子 作者別の話が1冊に入っているが 著者が複数であっても、小説・物語は「913」 913
きみが見つける物語 作:あさのあつこ 他 913
日本文学の全集 (講談社少年少女日本文学館) 詩・俳句・文学と別にするか? 全集として分類する 918

 

※この通りにならない場合もあるかと思いますが、基本的に分類番号は客観的かつ公平に、主題によって分けるのがベターです。

※気になる分類の間違いがあったら、気づいたときに直していくと、図書館内がスッキリしてきます。

【参考2】ブックコートのかけ方

ジャケットがない場合

フィルムは本のはじより2~3cm大きめに切る。 裏紙を5~6cmはがす。 天地と小口に2~3cm余裕をとり、まっすぐに本を置く。 貼った側を上にしてウラ紙をはがしながら布や定規で空気を抜きながら貼る。背や溝の奥までしっかり貼る。
角(ア、イ)を切り落とし、背の部分にウ、エのように斜めにハサミを入れる(表・裏共) 背の部分以外のフィルムの余った部分を折り返す。 フィルムの角は押し込むようにして処理する。
ホローバック(腔背本)の場合、山形を背腔の中に押し込む。残った背の部分を山形に切り取る。 背腔のない本(上記)の場合は背の部分を切り取る。

ジャケットがある場合

① 始めにジャケットの折り返しの(ア~エ)を切り落とす。 ② 本にジャケットを付け[1]のジャケットのない場合 上図①~⑥と同じ作業を行う。 ③ ジャケットと本を固定する前に背の部分をあらかじめ折り返しておく。
④ フィルムの余った部分を折り返し、ジャケットと本を本を固定する。

上図⑦の作業(ジャケットと本がずれていないか確かめて)

 フィルムの角の処理をきれいに ⑤ 軽く角をつぶしておく

【参考3】開きぐせのつけ方(本製本の場合)

本製本の場合

① 表紙を静かにあける。

② つづいて裏表紙をあける。

③ 表の数枚を開く。

④ 裏からも数枚を開く。

⑤ 交互にくり返す。

⑥ 中央でよく押さえる。

仮製本の場合

① ヘラと定規ですじをつける。 ② すじにそって表紙を開き、よく押す。 ③ 裏表紙もすじを  つけて開く。 ④ 交互に開いていく。

【参考4】参考文献

参考文献

 学校図書館ABC《改訂2版》1997  学校図書館研修資料編集委員会 編・発行
 図書館用語集(改訂版)1996  日本図書館協会 編・発行
 図書館運営の手引 図書整理の部 1991  上伊那学校図書館司書研究会 編
 研究紀要 図書館教育第25集1999  長野県図書館協会小中学校図書館部会 編
 学校図書館のためのパソコン入門Q&A(改訂版)1996 全国学校図書館協議会 発行
 図書の払出し1994  全国学校図書館協議会 発行
 資料組織法 第4版 2000  志保田努・高鷲忠美著 第一法規発行
 日本十進分類法 新訂9版  1995  日本図書館協会
 日本目録規則 1987年版 改訂版 1994  日本図書館協会
 TRC MARC/Uタイプ マニュアル-図書編ー第4版 2000  TRC図書館流通センター
 学校図書館の実務・資料図解大事典  全国学校図書館協議会編・発行
 図書委員ハンドブック  1992  全国学校図書館協議会編・発行
 学校図書館運営の手引き 改訂版
-岡山市小・中学校図書館スタッフマニュアル- 1997
岡山市教育委員会発行
新鮮で使いやすい図書館に
2010・12・10
-学校図書館実務マニュアル 改訂版-
長野県図書館協会小中学校図書館部会
学校図書館実務研究委員会

参考

学校図書館資料 および 学校図書館ニュース 社団法人 全国学校図書館協議会
(略称 全国SLA)ホームページ

【資料1】学校図書館法

学校図書館法

(昭和28年 法律第185号)

(この法律の目的)

第1条  この法律は、学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実することを目的とする。

(定義)

第2条 この法律において「学校図書館」とは、小学校(特別支援学校の小学部を含む。)、中学校(中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。)及び高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)(以下「学校」という。)において、図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備をいう。

《改正》平10法101 《改正》平18法080

(設置義務)

第3条 学校には、学校図書館を設けなければならない。

(学校図書館の運営)

第4条 学校は、おおむね左の各号に掲げるような方法によつて、学校図書館を児童又は生徒及び教員の利用に供するものとする。

(1)図書館資料を収集し、児童又は生徒及び教員の利用に供すること。

(2)図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。

(3)読書会、研究会、鑑賞合、映写会、資料展示会等を行うこと。

(4)図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと。

(5)他の学校の学校図書館、図書館、博物館、公民館等と緊密に連絡し、及び協力すること。

学校図書館は、その目的を達成するのに支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる。

(司書教諭)

第5条 学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。

 前項の司書教諭は、主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。)、指導教諭又は教諭(以下この項において「主幹教諭等」という。)をもつて充てる。この場合において、当該主幹教諭等は、司書教諭の講習を修了した者でなければならない。

《改正》平19法096

 前項に規定する司書教諭の講習は、大学その他の教育機関が文部科学大臣の委嘱を受けて行う。

《改正》平9法76 《改正》平11法160

 前項に規定するものを除くほか、司書教諭の講習に関し、履修すべき科目及び単位その他必要な事項は、文部科学省令で定める。

《改正》平11法160

(設置者の任務)

第6条 学校の設置者は、この法律の目的が十分に達成されるようその設置する学校の学校図書館を整備し、及び充実を図ることに努めなければならない。

(国の任務)

第7条 国は、学校図書館を整備し、及びその充実を図るため、左の各号に掲げる事項の実施に努めなければならない。

(1)学校図書館の整備及び充実並びに司書教諭の養成に関する総合的計画を樹立すること。

(2)学校図書館の設定及び運営に関し、専門的、技術的な指導及び勧告を与えること。

(3)前各号に掲げるものの外、学校図書館の整備及び充実のため必要と認められる措置を講ずること。

《改正》平15法117 《2章削除》平13法009

附 則(抄)

(施行期日)

 この法律は、昭和29年4月1日から施行する。

(司書教諭の設置の特例)

 学校には、平成15年3月31日までの間(政令で定める規模以下の学校にあっては、当分の間)、第5条第1項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。

法附則第2項の学校の規模を定める政令 (平成9年政令第189号)

内閣は、学校図書館法(昭和28年法律第185号)附則第2項の制令で定める規模以下の学校は、学級の数(通信制の課程を置く高等学校にあっては、学級の数と通信制の課程の生徒の数を300で除して得た数(1未満の端数を生じたときは、1に切り上げる。)とを合計した数)が11以下の学級とする。

附 則

この制令は、公布の日から施行する。

【資料2】学校図書館図書廃棄基準

学校図書館図書廃棄基準

1993年1月15日

全国学校図書館協議会

 学校図書館の設置目的は、教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することにある。この目的を達成するためには、児童生徒および教員の利用に役立つ適切な図書館資料を質量ともに整備しておかなければならない。学校図書館の資料は図書資料をはじめ多種多様な資料群にわたるが、とりわけ図書資料は資料群の中核を成すものである。したがって、学校図書館では、利用者の立場に立って適切で優れた図書の選択収集に努め、かつ常に蔵書の更新を行う必要がある。また、蔵書の管理には一貫性と統一性が保たれなければならない。蔵書の点検評価に伴い図書を廃棄する場合には、個人的な見解によることなく客観性のある成文化した基準にもとづき行わなければならない。この基準は、学校図書館において蔵書を点検評価し廃棄を行う場合の拠りどころを定めたものである。

Ⅰ 一般規準

次の各項のいずれかに該当する図書は廃棄の対象とする。

1 形態的にはまだ使用に耐えうるが、記述されている内容・資料・表記等が古くなり利用価値の失われた図書。

2 新しい学説や理論が採用されていない図書で、史的資料としても利用価値の失われた図書。

3 刊行後時間の経過とともにカラ-図版資料の変色が著しいため、誤った情報を提供することが明白になった図書。

4 利用頻度の著しく低い副本で保存分を除いた図書。

Ⅱ 種別規準

次の種別に属する図書は、一版規準に加えてそれぞれの種別ごとの各項に該当する場合廃棄の対象とする。

1 百科事典・専門事典

① 刊行後10年を経ているもので、補遺が刊行されていない図書。

2 ハンドブック・要覧

①新版が刊行され利用価値の失われた旧版図書。

3 伝記

①新資料の発見等により被伝者についての評価が著しく変わった図書。

4 地図帳

①刊行後5年を経ているもので、記載地名等に変化が生じた図書。

②歴史地図帳は、刊行後10年を経ているもので歴史学研究の成果が取り入れられていない図書。

5 旅行案内書

①刊行後3年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。

6 地誌

①刊行後5年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。

 

7 法律書・法令書

①刊行後3年を経ているもので、主要な法律・法令の改正により現状にそぐわなくなった図書。

8 人権関係書

①記述内容に人権擁護上問題であることが明らかとなった図書。

9 政党関係書

①刊行後3年を経ているもので、政党の現状を理解するのにそぐわなくなった図書。

10 時事問題関係書

①刊行後3年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。

11 学習参考書

①刊行後3年を経ているもので、学習の現状にそぐわなくなった図書。

②「学習指導要領」準拠図書で、「学習指導要領」の改訂により学習事項やその取り扱いが変わった図書。

12 就職・受験案内書

①刊行後2年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。

13 技術書・実験書

①刊行後3年を経ているもので、技術・実験についての説明が古くなった図書。

②記述内容に安全上問題であることが明らかとなった図書。

14 公害・環境問題関係書

①刊行後5年を経ているもので、最近の研究成果がとりいれられていない図書。

15 料理・服飾関係書

①刊行後3年を経ているもので、新しい素材・技術・デザイン・流行等がとりいれられていない図書。

16 スポ-ツ関係書

①刊行後5年を経ているもので、新しい種目・ル-ル・技術・用具等がとりいれられていない図書。

17 辞典

①語義・語源・用例等の記述に重大な誤りが発見された図書。

18 翻訳書・翻案書・抄訳書

①行後に優れた翻訳書が出版された場合の旧翻訳書。

②より完全な翻訳書が出版された場合の旧翻案書・旧抄訳書。

Ⅲ 廃棄の対象としない図書

次の図書は原則として廃棄の対象としない。

①鑑 ②白書 ③郷土資料 ④貴重書

《運用上の留意事項》

Ⅰ 図書の廃棄にあたっては、校内に「図書廃棄委員会」を設置し組織的に対処する。各教科担当教員の協力を求めるなどして、廃棄図書リストを作成して検討するなど慎重に行うことが望ましい。

Ⅱ 備品図書の廃棄は、学校設置者が定める条例・規則などにしたがって行う。

【資料3】文部科学省「学校図書館図書標準」

文部科学省「学校図書館図書標準」

(平成5年3月29日文部省制定)
(平成19年4月2日文科省改正)

ア 小学校 イ  中学校
学級数 蔵書冊数 学級数 蔵書冊数
1 2,400 1~2 4,800
2 3,000 3~6 4,800+640×(学級数- 2)
3~6 3,000+520×(学級数- 2) 7~12 7,360+560×(学級数- 6)
7~12 5,080+480×(学級数- 6) 13~18 10,720+480×(学級数-12)
13~18 7,960+400×(学級数-12) 19~30 13,600+320×(学級数-18)
19~30 10,360+200×(学級数-18) 31~ 17,440+160×(学級数-30)
31~ 12,760+120×(学級数-30)

早見表 (この表は「学校図書館図書基準」をもとに学級数別に算出した蔵書冊数早見表)

小学校
学級数 蔵書冊数 学級数 蔵書冊数 学級数 蔵書冊数

1学級  2,400冊 15学級 9,160冊 29学級 12,560冊

2   3,000  16   9,560   30   12,760

3   3,520  17   9,960   31   12,880

4   4,040  18   10,360  32   13,000

5   4,560  19   10,560  33   13,120

6   5,080  20   10,760  34   13,240

7   5,560  21   10,960  35   13,360

8   6,040  22   11,160  36   13,480

9   6,520  23   11,360  37   13,600

10   7,000  24   11,560  38   13,720

11   7,480  25   11,760  39   13,840

12   7,960  26   11,960  40   13,960

13   8,360  27   12,160

14   8,760  28   12,360

中学校
学級数 蔵書冊数 学級数 蔵書冊数 学級数 蔵書冊数

1学級  4,800冊 15学級 12,160冊 29学級 17,120冊

2   4,800  16   12,640  30   17,440

3   5,440  17   13,120  31   17,600

4   6,080  18   13,600  32   17,760

5   6,720  19   13,920  33   17,920

6   7,360  20   14,240  34   18,080

7   7,920  21   14,560  35   18,240

8   8,480  22   14,880  36   18,400

9   9,040  23   15,200  37   18,560

10   9,600  24   15,520  38   18,720

11   10,160  25   15,840  39   18,880

12   10,720  26   16,160  40   19,040

13   11,200  27   16,480

14   11,680  28   16,800

* 学級数には特別支援学級を含む

【資料4】各校使用ラベルカラー

各校使用ラベルカラー

地区 学校 地区 学校
丘の上 飯田東中 竜峡 竜峡中
浜井場小 川路小
追手町小 三穂小
丸山小 竜東 竜東中 オレンジ
飯田西中 下久堅小
上郷 高陵中 上久堅小
座光寺小 龍江小
上郷小 千代小
伊賀良 旭ヶ丘中 千栄小
伊賀良小  鼎 鼎中
山本小 オレンジ 鼎小
松尾 緑ヶ丘中 上・遠山 遠山中
松尾小 和田小
竜丘小 上村小