*蔵書点検とは、完全返却をした後、館内を一定期間閉館し、図書とカードを照合して蔵書の有無を確かめ、図書の所在・整理・保存状態などについて再評価するために行う。
ア 蔵書点検の時期と回数
年に最低1回。最も利用度の少ない時期にできるだけ短期間で行う。(年度末が望ましい)
イ 蔵書点検の作業方法
(ア) 準備
a カードの整理
b 貸出図書の回収
c 図書を請求記号順に整頓する。
(イ) 作業 《書架目録カードと本の照合》
* カードは本の身分証明書のようなもの。除籍しない限り蔵書数に含まれる。紛失しないように注意する。
a 図書とカードを見て、書名等の照合をし、カードを挟んで本を 倒す。同じ書名の図書やカードが複数ある場合は、図書とカードの登録番号が合致するか確認する。
b 図書とカードが一致しない場合は、図書を立てたままにしておく。
c 残ったカードは立ててある本と再度照合する。
d 最終的に残っているカードが不在図書となる。
ウ 蔵書点検後の処理
(ア)不在図書があった場合
a カードを不在図書のカードとしてまとめておく。
b すでに傷んで除籍した図書ではないか調べる。
c 不在図書のカードの管理をする。
5年間は保存し、毎年蔵書点検の時に整理しておく。このとき、上図のようなカードを作成し、一緒に束ねておくと、次の蔵書点検のときにわかりやすい。また、何年まで保存し、何年に処分するかもわかる。5年後には除籍扱いとして監査の資料に計上する。5年間保存した払出のカードと共に処分する。
【除籍するまでの図書カードの保管期間】
| 〈1年目〉 | 〈2年目・3年目・4年目〉 | 〈5年目〉 |
| ・3月に蔵書点検をし、不在図書があった。
→不在図書のカードをまとめておく。 |
・3月に蔵書点検で探す。
→返却されていたらカードをもどす。 →返却されていなかったら、引き続き不在図書扱いとして次年度へまわす。 |
・3月に蔵書点検で探す。
→返却されていたらカードをもどす。 →返却されていなかったら亡失払出しとし、除籍扱いとなり、台帳から抹消する。 ・カードは除籍に移行し、さらに5年間保存する。 ・廃棄数として監査の数に計上する。 |
(イ) カードを紛失している場合
a 不在図書のカードと残っている図書をもう一度照合する。
b 過去、不在図書とされたカードとも照合してみる。
c 完全に紛失と見なされる場合は、再発行する。
【カードの再発行の方法】
(a) 蔵書点検でカードの紛失がわかった場合、カードを作り直し、隅へ○再(丸囲み文字で再)と赤字で記入してカードの上部を赤マジックでぬる。(上から見てわかるため)
(b) 紛失したカードがあった場合は、再発行のカードは破棄する。
(ウ) 補修・誤記等
a ラベルの文字が消えているもの、ラベルのとれているものは書いてつけ直す。
b ラベルの請求記号の誤記、不統一がある場合は調べて訂正し、合わせてカード、台帳も訂正する。
c 修理する本があれば補修テープで補修する。(セロテープは使わない)
d 修理しきれないほど傷んでいる本は除籍処理も考えていく。
e 破損・汚損が著しく、使用に耐えないものは除籍する。
(エ) 図書とカードの照合後の処理
a 図書に挟んであるカードは図書から抜き出し、分類別または棚別に集めてカードケースへ入れる。
b 不在図書のカードは別にしておく。
c カードと照合するために倒してあった図書を起こして整頓する。
(オ) 不在図書の回収
a 蔵書点検後、一定期間を定めて不在図書を回収する手立てをとる。
(a) カードを見ながら不在図書のリストを作る。
(b) 図書広報や放送など児童・生徒・教職員に協力を呼びかけ、全校をあげて図書の回収活動を行う。
b 図書を回収するとき、返却箱を用意するなど図書を返す場所を決めておくとよい。
c 図書が返却されたらカードと照合し、それぞれの場所にもどす。
(カ) 特定の児童・生徒が図書を紛失した場合
a 紛失届を提出してもらう
図書の状態
紛失・破損理由
自分の考え
保護者、担任の言葉
処理方法 など
b 図書を弁償してもらう
年度当初に図書館便り、オリエンテーション、新年度職員会などで周知し、状況や実情、実態によっては、職員・児童・生徒ともに理解、了承の上で行う。




