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(6)蔵書点検

*蔵書点検とは、完全返却をした後、館内を一定期間閉館し、図書とカードを照合して蔵書の有無を確かめ、図書の所在・整理・保存状態などについて再評価するために行う。

ア 蔵書点検の時期と回数

年に最低1回。最も利用度の少ない時期にできるだけ短期間で行う。(年度末が望ましい)

イ 蔵書点検の作業方法

(ア) 準備

a カードの整理

b 貸出図書の回収

c 図書を請求記号順に整頓する。

(イ) 作業 《書架目録カードと本の照合》

*  カードは本の身分証明書のようなもの。除籍しない限り蔵書数に含まれる。紛失しないように注意する。

a 図書とカードを見て、書名等の照合をし、カードを挟んで本を 倒す。同じ書名の図書やカードが複数ある場合は、図書とカードの登録番号が合致するか確認する。

b 図書とカードが一致しない場合は、図書を立てたままにしておく。

c 残ったカードは立ててある本と再度照合する。

d  最終的に残っているカードが不在図書となる。

ウ 蔵書点検後の処理

(ア)不在図書があった場合

a カードを不在図書のカードとしてまとめておく。

b すでに傷んで除籍した図書ではないか調べる。

c 不在図書のカードの管理をする。

5年間は保存し、毎年蔵書点検の時に整理しておく。このとき、上図のようなカードを作成し、一緒に束ねておくと、次の蔵書点検のときにわかりやすい。また、何年まで保存し、何年に処分するかもわかる。5年後には除籍扱いとして監査の資料に計上する。5年間保存した払出のカードと共に処分する。

【除籍するまでの図書カードの保管期間】

〈1年目〉 〈2年目・3年目・4年目〉 〈5年目〉
・3月に蔵書点検をし、不在図書があった。

 

→不在図書のカードをまとめておく。

・3月に蔵書点検で探す。

 

→返却されていたらカードをもどす。

→返却されていなかったら、引き続き不在図書扱いとして次年度へまわす。

・3月に蔵書点検で探す。

 

→返却されていたらカードをもどす。

→返却されていなかったら亡失払出しとし、除籍扱いとなり、台帳から抹消する。

・カードは除籍に移行し、さらに5年間保存する。

・廃棄数として監査の数に計上する。

(イ) カードを紛失している場合

a 不在図書のカードと残っている図書をもう一度照合する。

b 過去、不在図書とされたカードとも照合してみる。

c  完全に紛失と見なされる場合は、再発行する。

【カードの再発行の方法】

(a) 蔵書点検でカードの紛失がわかった場合、カードを作り直し、隅へ○再(丸囲み文字で再)と赤字で記入してカードの上部を赤マジックでぬる。(上から見てわかるため)

(b) 紛失したカードがあった場合は、再発行のカードは破棄する。

(ウ) 補修・誤記等

a  ラベルの文字が消えているもの、ラベルのとれているものは書いてつけ直す。

b ラベルの請求記号の誤記、不統一がある場合は調べて訂正し、合わせてカード、台帳も訂正する。

c 修理する本があれば補修テープで補修する。(セロテープは使わない)

d  修理しきれないほど傷んでいる本は除籍処理も考えていく。

e  破損・汚損が著しく、使用に耐えないものは除籍する。

(エ) 図書とカードの照合後の処理

a 図書に挟んであるカードは図書から抜き出し、分類別または棚別に集めてカードケースへ入れる。

b 不在図書のカードは別にしておく。

c カードと照合するために倒してあった図書を起こして整頓する。

(オ) 不在図書の回収

a 蔵書点検後、一定期間を定めて不在図書を回収する手立てをとる。

(a)   カードを見ながら不在図書のリストを作る。

(b)   図書広報や放送など児童・生徒・教職員に協力を呼びかけ、全校をあげて図書の回収活動を行う。

b 図書を回収するとき、返却箱を用意するなど図書を返す場所を決めておくとよい。

c 図書が返却されたらカードと照合し、それぞれの場所にもどす。

(カ) 特定の児童・生徒が図書を紛失した場合

a 紛失届を提出してもらう

図書の状態

紛失・破損理由

自分の考え

保護者、担任の言葉

処理方法      など

b 図書を弁償してもらう

年度当初に図書館便り、オリエンテーション、新年度職員会などで周知し、状況や実情、実態によっては、職員・児童・生徒ともに理解、了承の上で行う。