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(4)就学義務の猶予・免除

① 猶予・免除制度

保護者の就学義務の例外規程として、就学猶予・免除等の制度がある。

猶予と免除の区別は、疾病の回復の可能性の有無で判断される。

全国的な猶予者・免除者の数は、昭和54年度より特別支援学校が義務化されたことにより、大幅に減少している。

② 根拠法令

学校教育法

第17条 第一項略

2 保護者は、子が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。

第18条 前条第一項又は第二項の規定によつて、保護者が就学させなければならない子(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、同条第一項又は第二項の義務を猶予又は免除することができる。

学校教育法施行令規則

第34条 学齢児童又は学齢生徒で、学校教育法第18条に掲げる事由があるときは、その保護者は、就学義務の猶予又は免除を市町村の教育委員会に願い出なければならない。この場合においては、当該市町村の教育委員会の指定する医師その他の者の証明書等その事由を証するに足る書類を添えなければならない。

③ 猶予・免除の事由

就学義務の猶予・免除が認められるのは、学校教育法で、「病弱・発育不完全」と「その他やむを得ない事由」の二つのみとされている。

戦前の小学校令では、「保護者の貧窮」も対象とされていたが、現行法では経済的事由での猶予は認められていない。

「その他やむを得ない事由」において、重国籍子女が「将来外国籍を選択する可能性がある」という事由での猶予・免除は認められる。(昭和59・12・6文部省初等中等教育局長通知)

④  猶予・免除者への配慮

就学猶予・免除により、義務教育の課程を終了していない者が健康を回復した場合、中学校卒業程度認定の制度があり、中学校卒業を受験資格とする上級学校への進学が考慮されている。