1 文書管理の概要

 

(1)文書の定義

一般には「紙に書かれた情報」「人の意思を文字又は、符号などで表した紙」といわれ、公文書は「公務上処理しなければならない文書」とか「公務員がその職務を執行するために作成する文書」とされ、古くから紙を媒体としていたが、2000年頃からの情報通信技術の発展により、電磁的記録が多く用いられるようになってきた。

学校は「教育」という、一般企業や官庁と異なった経営目的を持った機関であり、官公庁でいう公文書以外に校内で作成され、研究されたものが資料として多く作られ、教育実践に活用されているという特殊性からみて、学校における文書は、一般の公文書にこだわらず「教育目標達成のために必要なすべての文書」として位置づけられる必要がある。

(2)文書の特質(性質)とその効用

① 文書の特質

ア 保存性……文字や記号・符号によって書かれた紙やデータが書き込まれたCD-Rなどは、口頭に比べて長期にわたって保存することができ、いつでも利用できる。

イ 的確性……口頭では誤って伝えられたり、長時間には記憶が薄れ正確さを欠き易いが、文書は文字が固定しているため、内容に確実性がある。

ウ 普遍性……文書は、受けるものの感情に左右されにくく、特に感情に支配されない。

エ 伝達性……文書は、広範囲にかつ、時間を超えて意志や感情を伝達することができる。

② 文書の効用

文書は、その性質を生かすことにより、次のような効用(機能)がある。

ア 現状の把握……文書を管理することで組織活動の現状をとらえることができる。

イ 対象の代表……文書は、企業や機関を代表する。抽象的な権限とか、資料を具体的に表し、文書それ自体、権限や資格を示す。

ウ 証   拠……文書は、その保存性と的確性とにより、事実についての証拠力が高い。

エ 統   制……文書は、仕事の経過と結末がはっきりするので、企業や機関を統制するのに役立つ。

(3)公文の種類

公文とは、公の機関又は公務員がその職務上作成した文書をいい、長野県では公文の種類を、令達文・公示文・一般文の3種類に分類し、それぞれの種別を定めているが、これを図示すれば次のようになる。

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(4)文書管理

組織体の活動は、その大部分は文書を通じて発生し、組織体の活動と文書を切り離すことはできない。文書の管理とは、文書の運行の統制を意味するもので、組織体の近代化・合理化の根底である。

学校における文書管理の範囲は、公文書はもちろん、教育活動の過程において発生した文書・研究物・資料、又、外郭団体等のものでも学校運営に必要な文書・資料をその対象とする必要がある。

文書管理とは、通常、文書の流れを管理する面(動態管理)と、文書を保存管理する面(静態管理)の二面がある。

① 文書の動態管理…文書の流れの管理

文書の流れの管理は、文書の収受から起案し、決裁を経て発送に至る組織内における文書の流れの統制管理であり、流れの過程に必要な様式・用字・用語・機械器具の管理なども含まれる。

ア 文書の収受及び配付

文書の受領・公用私用の区分・収受印押印・文書の分類・文書件名簿登載・閲覧を経て担当者へ配付する。

イ 文書の作成

文書は、起案・合議・決裁を経て作成する。起案に当たっては、資料を収集し、構想を立て、要点を明確にし、形式・文字・用語に注意し、手書きの場合の文字は、丁寧に書かねばならない。

ウ 発  送

発送に当たっては、正式な手続きが経られているか確認するとともに、文書が相手に届く最も合理的な方法で発送する。

② 文書の静態管理…文書の保存管理

文書の発送から保管を経て、保存・廃棄に至るまでの管理であり、完結した文書(記録)が資料・証拠として能率的に活用されるよう保存されることで、文書の分類・整理・保管・保存利用・廃棄等が主なものである。

ア 文書の分類……文書の分類基準表により分類する。

イ 文書の保管……文書が完結してから保存期間に入るまでの状態をいう。一般には完結の年度が終了するまでの間の文書の状態である。

ウ 文書の保存……文書の保存期間を終了してから、廃棄に至るまでの状態である。

エ 文書の利用……保存文書を資料等として活用することである。

オ 文書の廃棄……保存期間が満了、又は、保存期間中でも保存の必要のなくなった文書を処分することである。

③ 文書の集中管理

文書の静態管理の方法は次の3つの方法がある。

ア 集中管理……職員室・事務室等一か所で組織的統一的に管理する方法

イ 集中的分散管理……主に職員室・事務室に置き、一部を保健室・校長室等に分散管理する方法

ウ 分散管理……それぞれの係ごとに保管する方法

文書は、組織の活動を促し統制し、次の計画を作らせる機能を持っている。この機能を十分、効果的に活用するためには、特定の係の私物としてではなく、組織的に管理し、いつでもだれでもすぐに利用できる状態にしておくことが必要である。そのためには、文書の集中管理(集中的分散管理)が理想的であると思われる。

④ ファイリング・システム

文書の集中管理の最も効果的な方法は、「ファイリングシステム」だといわれ、ファイリングシステムとは「組織の維持発展のために必要な文書をその組織のものとして、必要に応じ、即座に利用し得る形で組織的に管理保管し、ついには廃棄に至る一連の制度である。」と定義されている。

⑤ ファイリングシステムに必要な要件

ア 全職員が十分理解すること。

ファイリングシステムの必要性、目的を全職員が十分理解するとともにこのシステムは各自が研究・努力して作り上げていくものであるという意欲を持つこと。

イ 全職員が決められたことを守ること。

ウ 文書を絶対私物化しないこと。

職務に関連し作成又は、収受した文書は、市の公文書であることを十分踏まえ全員で利用できるように決められた場所に保管しておくこと。

エ 不要な文書を持ち込まないこと。

ファイリングシステムを実施すれば、必要な文書は、キャビネットにファイルされるから特別な場合を除き2部以上持ち込まないこと。

オ 文書は、必要以上の部数を作成しないこと。

文書を必要以上に作成すると必然的にあまり必要のないところに配付され、不必要な文書がファイルされることにもなるので、文書の作成にあたっては、必要最小限の部数で済ませるよう心掛けること。

カ 捨てる習慣をつけること。

ファイリングシステムは、文書を計画的に捨てる制度であるともいわれている。保存する必要のない文書は、思い切ってどんどん捨てる習慣をつけること。

キ 事務室に私物を置かないこと。

公私の区分を厳格にし、私物を事務室の用品に入れておかないこと。職務に関連ある参考文書は、机の引出しに入る程度にとどめる。

ク 退庁時に文書は机上に置かないこと。

当日行う仕事に必要な文書だけを机上に置き終わったらすぐキャビネットに戻すこと。したがって、退庁時には、文書を一切机の上に置かない習慣をつける。

⑥ 電磁的記録の管理

ア 管理の必要性

電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいい、具体的には、録音テープ、ビデオテープ、磁気ディスク、光ディスク等の媒体に記録された業務システム、データベース、電子メールなどである。

近年、文書事務に占めるパソコン、汎用コンピュータなどの役割が増大化してきており、文書規程上も電磁的記録は、文書管理の対象として明確に位置付けられている。

一方、電磁的記録は、何らかの措置を講じなければ、紙文書に比べ、改ざんが容易にでき、その痕跡も残りにくく、記録媒体の経年劣化などによる内容消失といった事故が発生しやすい等の特性を有している。

このため、電磁的記録についても文書規程等の規定に基づき適正に管理を行う必要がある。

電磁的記録の分類・整理から保存・廃棄に至る一連の事務処理は、おおむね紙文書に準ずるものとされているが、操作上の誤りなどにより記録された内容が滅失してしまう場合に備え、定期的にバックアップを取るなど、その特性に応じた必要な措置を講ずる必要がある。

イ 管理の方法

文書分類表に基づき、フレキシブルディスク等に保存する場合にあっては、ラベルシールによる整理を行い、ハードディスク等に保存する場合にあってはフォルダーの階層構造による整理を行う。

なお、電子メールシステムを使用して送受信した文書については、紙に出力して収受の処理を行い、その電子メール文書の処理に伴う他の文書とともに、文書規程に従い適正に保存する。

ウ 原本性の確保

電子文書(電磁的記録のうち、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)の原本性について、電子文書であっても、次に掲げる3つの要件を充足していれば、原本として保存されている紙文書と同様の状態にあるものとみてよいとされている。

(ア) 完全性の確保

電子文書が確定的なものとして作成され、又は取得された一定の時点以降、記録媒体の経年劣化等による電子文書の消失及び変化を防ぐとともに、電子文書に対する改変履歴を記録すること等により、電子文書の改ざん等を未然に防止し、かつ、改ざん等の事実の有無が検証できるような形態で、保存・管理されること。

(イ) 機密性の確保

電子文書へのアクセスを制限すること、アクセス履歴を記録すること等により、アクセスを許されない者からの電子文書へのアクセスを防止し、電子文書の盗難、漏えい、盗み見を未然に防止する形態で、保存・管理されること。

(ウ) 見読性の確保

電子文書の内容が必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示できるよう措置されること。

(5)公 印

学校における公印とは、「学校印」と「職印」、「契印」、「割印」があり、特に重要なものは「職印」、「学校印」である。「学校印」は校名を、「職印」は校長の職名を明示した印章であり、文書の信実性及び公信性を表すもので、発信文書には、原則として公印を押さなければならない。ただし、軽易な文書はこれを省略することができる。

公印の取り扱いに際しては、厳正に取り扱うとともに、みだりに一般職員に使用させてはならない。また保管に当たっても盗難・紛失等のないよう確実に保管する必要がある。

① 軽易な文書はおおむね次のようなものであるが、文書主任及び校長の判断により決定する。

ア 図書・印刷物及び資料・広報等

イ 大部分が謄写又は、印刷に付した軽易な文書

ウ 一般的又は定期的な新聞・広報等

エ 請求書・見積書・届書等

オ 儀礼文

カ その他軽易なもの、校内発生の文書、資料




2 飯田市立小・中学校文書規程

reikisyu平成10年2月25日教委訓令第1号

  (最終改正 平成22年12月16日)

 

 

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、飯田市立小・中学校(以下「学校」という。)の文書の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第1条の2 この規程において「文書」とは、学校における事務を処理するために作成し、又は取得した学校運営に必要な書類、電報、電話又は口頭による事項を記録したもの及び図面その他の資料等各種の記録(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)を含む。)のすべてをいう。

(文書主任)

第2条 学校に文書主任を置き、校長が指定する職員をもって充てる。

(文書主任の職務)

第3条 文書主任は校長の命を受けて、次の各号に掲げる事務を処理する。

(1) 文書の収受及び配布に関すること。

(2) 文書の審査に関すること。

(3) 文書事務の処理の促進及び改善に関すること。

(4) 文書の整理保存及び廃棄に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、文書の取扱いに関すること。

(文書分類表)

第4条 文書主任は、文書を整理するために、別に定める文書分類表を用いなければならない。

第2章 文書事務の処理

(文書取扱いの原則)

第5条 文書は、事務能率の向上に役立つように正確、迅速かつ丁寧に取り扱い、常に整備してその経過を明らかにしておかなければならない。

2 文書は、情報公開制度及び個人情報保護制度が円滑に運用されるように適切に管理されなければならない。

(文書の規格)

第5条の2 文書の規格は、原則として日本工業規格A列4番(以下「A4判」という。)とする。ただし、次の各号に掲げる特別な文書を除く。

(1) 法令、その他市以外の機関が定めた様式の文書

(2) 伝票、地図、図面、写真、表彰状、許可証、身分証明書、カードその他の特定の用紙規格を必要とする文書

(3) その他A4判とすることが不可能、不適切又は困難であると認められる文書

(文書の左横書き)

第6条 文書は、左横書きとする。ただし、特定なものはこの限りでない。

(文書の記名)

第7条 文書の記名は、校長名とする。ただし、他の機関から校名を用いることを指定されたもの又は軽易な文書の記名は校名とすることができる。

(文書の記号等)

第8条 文書には、年次、記号及び番号並びに分類記号並びに保存期間を付さなければならない。ただし、別に定めるものについては、この限りでない。

第9条 年次は、その事案が完結するまで同一のものとし、当該文書を受け付けた日又は施行した日の属する会計年度の年次によるものとする。

第10条 番号は、その事案が完結するまで同一のものを用いるものとする。ただし、継続的に行う同一事項に係る文書は枝番号で、往復文書で軽易なものは号外で処理することができる。

2 文書の番号は、文書件名簿(様式第1号)によって毎年4月1日に始まって翌年3月31日に終わるものとする。

(分類記号)

第11条 分類記号は、文書分類表の記号を用いなければならない。

(保存区分)

第12条 文書の保存期間は、次のとおりとする。

(1) 永年 11年以上の期間保存するもの

(2) 10年 10年間保存するもの

(3) 5年 5年間保存するもの

(4) 1年 1年間保存するもの

2 前項の保存期間は、文書完結の翌年度から起算するものとする。

3 永年保存における文書の保存期間は、その重要度、利用度等を勘案し、校長が設定するものとする。

(起案)

第13条 文書の起案に当たっては、文書は平易簡明に、文字はかい書正確に書かなければならない。

2 定例的な事案の起案は、例文により行うものとする。

3 例文は、校長が定めるものとする。

第14条 文書の起案は、第15条から第17条までの規定による場合を除き、起案用紙(様式第2号)を用いて行うものとし、必要な関係書類、参考資料等を添えなければならない。

第15条 内容の軽易な事案等の起案は、原議に簡易起案用紙(様式第3号)を用い、又はその文書の余白に処分案を朱書きして行うことができる。この場合には、その処理経過を明らかにしておかなければならない。

第16条 不備のある極めて軽易な文書を整理して再提出しようとするときは、付せん用紙(様式第4号)を用いて処理することができる。

第17条 口頭又は電話による照会、回答、通知等で重要なものは、口頭電話記録用紙(様式第5号)により校長の決裁等所定の手続をとらなければならない。

(秘密又は緊急を要する事案の処理)

第18条 秘密又は緊急を要する事案は、校長の指示を受けて適宜処理することができる。この場合において、処理後速やかに所定の手続をとらなければならない。

第19条 削除

(文書の日付)

第20条 文書の日付は、当該文書を施行する日とする。

(押印)

第21条 施行する文書には、公印を押印しなければならない。ただし、軽易な文書には、公印を省略することができる。

第3章 文書の収受、配布等

(収受及び配布)

第22条 到着した文書及び物品は、すべて文書主任が次の各号によって処理するものとする。

(1) 校長又は学校あての文書は開封し、収受印(様式第6号)を押し、収受日及び収受の事実を明確にしておくことが必要な文書は文書件名簿に登載し、校長の査閲に供したのち、担当者に配布しなければならない。

(2) 前号の場合において、封筒を失うことにより発信者名等が不明となる文書には、その封筒を添えなければならない。

(3) 親展文書は、開封せずに配布しなければならない。

2 ファクシミリ又は電子メール及び他の情報システム(以下「電子メール等」という。)により受信した文書は、紙に印刷し、前項第1号に規定する処理を行うものとする。ただし、文書主任においてその処理が不要であると認める文書については、この限りでない。

3 文書主任以外の者が直接受領した文書は、直ちに文書主任に回付して所定の処理を行わなければならない。

4 郵便料金の未納又は不足の文書が到達したときは、文書主任が必要と認めるものに限りこれを収受することができる。

5 学校で収受すべきでない文書は、文書主任において返送、回送等必要な処置をとることができる。

6 校長は、親展文書等の配布を受けたときは、秘密を要しないものについては、第1項第1号の規定により処理することができる。

(発送)

第23条 発送する文書は、原則として封入せず原議とともに文書主任に回付しなければならない。

2 文書主任は、前項の規定により回付を受けた文書について決裁等の有無その他の点検を行い、不適当と認めるものは、所要の補正をさせた上、発送しなければならない。

3 ファクシミリ又は電子メール等による文書の発送は、次の各号の一に該当する場合に行うことができる。

(1) 軽易な内容の文書を発送する場合で、次のいずれかに該当する場合

ア ファクシミリ又は電子メール等により発送することについて、あらかじめ相手方の同意を得たとき。

イ ファクシミリ又は電子メール等により発送することについて、相手方から要請があったとき。

(2) 早急に相手方に文書による通知を行う必要がある場合

(3) 飯田市の機関相互間又は職員相互間で文書を送付する場合

4 軽易な文書は、文書主任に回付せず第2項及び第3項の規定する処理を担当者が行うことができる。

(施行済原議の処理)

第24条 文書主任において文書を発送したときは、原議及び文書件名簿に処理経過等を記載し、担当者に回付しなければならない。ただし、軽易な文書については、文書件名簿への記載を省略することができる。

第4章 文書の整理保存

(整理及び保管)

第25条 文書は完結文書と未完結文書に分け、完結文書は文書分類表に基づいて該当フォルダーに入れ、未完結文書は懸案フォルダーに入れて所定の場所に整理し、及び保管しなければならない。ただし、フォルダーに入れることが適当でないものについては、この限りでない。

第26条 文書主任は、毎年次の各号に定めるところにより、1年間保管した文書を保存しなければならない。

(1) 完結年又は完結年度ごとに区分する。

(2) 文書分類表の配列順に保存箱へ格納する。

(3) 簿冊で格納する場合は、原則として文書分類表補助分類ごとに編冊し、背表紙(様式第7号)を付するものとする。この場合、その大きさは、A4判以下、1冊の厚さは原則として6センチメートル以下とし、これを超えるものは適宜分冊する。ただし、図書等でこれによりがたいものはこの限りでない。

(4) 保存箱ごとに文書保存カード(様式第8号)を作成し、校長の承認を得て所定の場所へ格納する。

(電磁的記録の保管)

第26条の2 電磁的記録のうち、単体の記録媒体(記録媒体を記録の読み出し及び書き込みを行う装置から容易に分離できる形態のものをいう。以下同じ。)に記録されたものは、キャビネット又は専用の保管庫に収納するものとする。

2 パーソナルコンピュータを使用して作成された電磁的記録、又はパーソナルコンピュータを使用して取得した電磁的記録のうち単体の記録媒体に記録された以外のものは、共用コンピュータ内の記憶装置に保存するものとする。

3 前項の規定により共用コンピュータ内の記憶装置に保存する電磁的記録は、原則として校務分掌又は文書分類表に準じた分類による年度別、係別及び補助分類別のフォルダーによる階層構造を作成し保管するものとする。

(文書の閲覧及び貸出し)

第27条 職員が保存文書の閲覧又は貸出しを受けようとするときは、文書主任の承認を得なければならない。ただし、重要な文書については校長の同意を得るものとする。

(保存文書の廃棄)

第28条 保存期間を経過した保存文書は、文書主任が廃棄するものとする。この場合において、保存期間が10年以上の保存文書については、あらかじめ担当者及び校長に協議するものとする。

2 保存期間を経過しない保存文書で、保存の必要がないと認められるものについては、前項の規定を準用する。

第5章 補則

(補則)

第29条 校長は、この規程及び教育委員会の指示によるもののほか、文書の処理に関して必要な事項を定めることができる。

附 則(平成9年飯田市教育委員会訓令第1号)

(施行期日)

1 この訓令は、平成10年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の日前までに収受した文書の取扱いについては、その事案が完結するまでの間、なお従前の例による。

3 この訓令による改正前の飯田市立小・中学校文書規程の規定に基づく保存区分は、改正後の飯田市立小・中学校文書規程の規定に基づく保存年限とみなす。

4 この訓令の施行の日前までに作成した起案用紙等は、必要な調整をして、当分の間、使用することができる。

附 則(平成22年飯田市教育委員会訓令第8号)

1 この訓令は、公布の日から施行する。

様式第1号(第10条関係)

02-02-01

様式第2号(第14条関係)

02-02-02

様式第3号(第15条関係)

02-02-03

様式第4号(第16条関係)

02-02-04

様式第5号(第17条関係)

02-02-05

様式第6号(第22条関係)

02-02-06

様式第7号(第26条関係)

02-02-07

様式第8号(第26条関係)

02-02-08




3 飯田市立小・中学校文書規程の運用について

第1 文書規程制定の基本的事項

1 文書規程(以下「規程」という。)は、単に文書の取扱いに限らず、文書事務の処理全般に関して規定したものである。したがって、他に特別の定めがある場合を除き、文書事務はこの規程に従って処理されるものである。

2 文書事務の取扱いの明確化と、その責任を明らかにするため文書主任を設け、文書主任を中心に文書事務が行われることとした。

3 ファイリングシステムの採用によって、文書の分類と整理を体系化した。

第2 留意すべき事項(個別的事項)

1 第1条の2

電磁的記録とは、具体的には録音テープ、ビデオテープ、磁気ディスク、光ディスク等の媒体に記録された業務システム、データベース、電子メールなどをいう。

2 第2条

文書主任は、その職責からみて、文書事務に関する指導的な立場にある者を充てることが望ましい。

3 第3条

審査は、形式及び内容のすべてにわたるものである。

4 第4条

(1) 文書分類表による文書の整理とは、文書の収受、又は起案から保管、保存及び廃棄に至る一連の事務を規程に従って行うことをいう。

(2) 文書分類表は、文書の整理・保守等の体系的な基礎となるものであり、ファイリングシステムを成功に導くための重要なポイントである。

5 第5条

文書は、原則として即日処理に着手し、速やかに処理するものとする。また、情報公開制度及び個人情報保護制度に速やかに対応できるものとする。

6 第6条

特定なものとは、次に掲げるようなものをいう。

 (1) 法令等により定められているもの

 (2) 他の官公庁から指定されているもの

 (3) 賞状、祝辞等のうち必要と認められるもの

7 第8条

 (1) 記号は、別表に定めるところによるものとする。

 (2) 文書には、その性質上、次のいずれの事項を表示しなければならない。

① 記号番号

② 発信年月日

③ あて名

④ 発信者名

⑤ 件名

 (3) 別に定めるものとは、おおむね次のようなものである。

① 定例的な通知・依頼・回答・報告等

② 連絡事務

8 第10条

号外で処理できる軽易な往復文書とは、次のようなものとする。

 (1) 刊行物、資料、物品等の送付文書

 (2) 会議、研修会等の開催通知及び出席者等の報告

 (3) 号外処理された照会文書に対する回答文書等

 (4) その他文書番号はなくても差し支えない軽易な内容のもの

9 第12条

法令で特別の定めがあるものとは、所得税法(昭和22年法律第27号)に定めるものをいい、保存期間を7年とする。そのほかの文書の保存期間は、当該各号に定めるものとする。この場合において、11年以上の期間保存する永年文書についても、校長は、法令等の定め、時効の完成期限等を考慮し、適切な保存期間を設定するものとする。

なお、規程第28条第1項により、10年以上保存する文書については、廃棄する際に事前協議が行われ、必要に応じ保存期間の延長もできるので設定する保存期間は必要最小限のものとする。

10 第13条

 (1) 起案とは、学校の意思を決定し、これを文書として具体化する基礎となる案文を作ることであり、必ず起案文書によって決裁を得て施行しなければならない。

 (2) 公用文の用字及び用語については、常用漢字表(昭和56年内閣告示第1号)、現代仮名遣い(昭和61年内閣告示第1号)、送り仮名の付け方(昭和48年内閣告示第2号)等によるべきものとする。

 (3) 起案における伺い文及び本文(処理案)並びに起案文書の様式は、コンピュータ等による印刷物を使用しても差し支えない。

11 第14条

起案用紙を用いる場合の記入は、別紙1の例による。

12 第15条

内容の軽易な事案とは、7(3)に準ずる。

13 第18条

所定の手続きとは、規程第13条及び第14条による手続きにより処理することをいう。この場合において、秘密として処理した文書については、その趣旨に沿った適切な管理を行う。

14 第21条

公印を省略できる軽易な文書とは、次のようなものである。

 (1) 文書の内容が軽易で大部分を印刷又は、複写したもの

 (2) 不特定多数あてのもの

 (3) 付せん用紙により処理するもの

なお、割印及び契印については、規定していないが、その使用方法は、おおむね次のとおりとする。

割印は、施行する文書が2枚以上にわたる場合に、文書が正しく連続し、一体となっていることを示し、文書の抜取り等の不正を防止するものであるから、証明その他権利義務等に関する文書に使用する。

契印は、決裁文書と施行文書を照合したことを証明するものであるから、その文書の真偽等の確認が必要となる可能性のある権利義務等に関する文書に使用する。

15 第22条

 (1) 文書件名簿に登載する範囲は次のとおりとする。

① 官公庁の系列から到着する文書。ただし、軽易なもの(文書記号番号にないもの、ポスター、資料の配付など)を除く。

② 任意団体・民間会社等から発せられる回答を要するもの、処理経過の記録が必要なものなど、学校運営上特に重要と判断されるもの(寄附の申出、学校に対する要請等)

③ 校長名で外部へ発信する文書で重要と判断されるもの(学校管理規則に基づく願・届・報告、生徒の進路に係るもの、人事に関するもの、施設・設備に係るもの、各種の申請・要請、児童生徒に関するもの等)

 (2) 文書件名簿は、文書番号簿、親展(秘密)文書処理簿、文書収受簿、特殊文書収配カードの機能を備えたものである。記入例は、別紙2の例による。

 (3) 親展文書は、封をしたまま収受印を押し、文書件名簿へ登載ののち、校長に提出する。

 (4) 文書の収受日時が権利の得喪に関わるものは、その到着日時を文書及び文書件名簿に明記しなければならない。

 (5) 文書の収受・回覧は、別紙3のとおりとする。

16 第23条

(1) 重要な文書は、文書件名簿によってその処理状況を明らかにしておかなければならない。

(2) 文書の点検、照合及び発送は、文書主任が取り扱うものとする。ただし、臨時、急施を要するもの及び機密に属する文書はこの限りでない。

(3) ファクシミリ等により発送する場合は、電話番号等に誤りがないか十分に注意すること。

(4) 個人情報が含まれる文書については、郵送(宅配便等含む)による発送が望ましいが、やむを得ずメール・FAX等により発送する場合は、送付先と密接に連絡をとり、誤発送のないようにすること。

17 第25条

フォルダーに入れることが適当でないものとは、一件で相当厚くなる文書、厚い設計書等をいう。

18 第26条

(1) 文書を編冊する場合、文書分類表の補助分類で行うことが原則であるが、一つの補助分類では文書量が少ないものについては、保存期間が同一の共通の第一分類で編冊する。

(2) 図書等とは、地図、図面、写真等でA4判以下の大きさにできないものをいう。

(3) 原則として、文書保存カードを作成するが、文書分類表の写しに保存内容を表記することによって文書保存カードに代えることができる。

19 第26条の2

(1) 単体の記録媒体とは、USBメモリ、外付ハードディスク、CD-R、DVD-R、フロッピーディスク等を指す。

(2) 共用コンピュータ内に電磁的記録を保存する場合、必要に応じてアクセス制限やパスワードを設定する等のセキュリティ対策を行う。特に、個人情報が含まれる電磁的記録を外部の者や児童生徒が容易に閲覧できることがないように注意する。

20 第27条

貸出しとは、保存文書を見るために文書庫外へ搬出することをいう。

21 第28条

廃棄とは、保存文書又は、保管文書を公務上必要としなくなった文書として、文書規程に基づく管理からはずし、処分を決定する行為である。

 

(別表)

校名 記号 校名 記号 校名 記号
丸山小 飯丸小 川路小 飯川小 飯田東中 飯東中
追手町小 飯追小 龍江小 飯龍小 飯田西中 飯西中
浜井場小 飯浜小 千代小 飯千小 緑ケ丘中 飯緑中
座光寺小 飯座小 千栄小 飯栄小 旭ケ丘中 飯旭中
松尾小 飯松小 上久堅小 飯上小 竜峡中 飯峡中
竜丘小 飯竜小 鼎小 飯鼎小 竜東中 飯竜中
伊賀良小 飯伊小 上郷小 飯郷小 鼎中 飯鼎中
三穂小 飯三小 和田小 飯和小 高陵中 飯高中
山本小 飯山小 上村小 飯村小 遠山中 飯遠中
下久堅小 飯下小

<記載例> 27飯丸小第1号

別紙1

様式第2号(第14条関係)

02-03-01-01

様式第3号(第15条関係)

02-03-01-02

別紙2

様式第1号(第10条関係)

02-03-02

別紙3

文書の収受・回覧

1 文書は、必ず文書主任が受付して回覧する。

2 公文書は、文書主任が開封して収受印・閲覧印を押す。

02-03-03-01

3 公文書でも親展・書留は、開封せずに閲覧する。

4 文書主任は、文書件名簿へ登載して閲覧する。

5 文書の流れは下記のとおり

02-03-03-02

6 個人あてに来た文書でも開封後公文書と思われるものは係に申し出て公文書扱いとする。

文書でも開封後公文書と思われるものは係に申し出て公文書扱いとする。




飯田市立小・中学校文書分類表

平成23年4月1日 施行

平成26年2月12日一部改正(25飯教学第1052号)

 




4 飯田市教育委員会公印規則

reikisyu昭和47年3月21日教委規則第1号

(最終改正 平成27年3月31日)

 

 

(目的)

第1条 この規則は、別に定めがあるもののほか、飯田市教育委員会事務局、小・中学校、公民館その他の教育機関の公印の管理および使用について、必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この規則において「公印」とは、公文書に使用する庁印および職印をいう。

(公印の種類等)

第3条 公印の種類、名称、書体、寸法、使用区分、様式および個数は、別表第1および別表第2のとおりとする。

(公印の保管)

第4条 公印の保管者(以下「保管者」という。)は、その管理する公印を、盗難、不正使用等のないよう責任をもつて保管しなければならない。

2 公印の保管に関する事務は、学校教育課長が総括する。

3 学校教育課長は、公印の管理状況その他公印に関し必要な事項について、調査および保管者から報告を求めることができる。

(公印の登録)

第5条 学校教育課長は、公印台帳(様式第1号)を備え、公印の印影、種類その他必要な事項を登録しておかなければならない。

(公印の新調、改刻または廃止)

第6条 保管者は、公印を新調、改刻または廃止しようとするときは、公印新調(改刻、廃止)承認申請書(様式第2号)を学校教育課長を経由して教育長に提出し、その承認を受けなければならない。

(公印の使用)

第7条 公印を使用するときは、押印しようとする文書に決裁ずみの原議書を添えて保管者に提出し、承認を受けなければならない。ただし、緊急やむを得ない理由によりあらかじめ保管者の承認を得た場合には、文書の決裁前に公印を使用することができる。

2 公印は、執務時間内において使用しなければならない。ただし、やむを得ない理由によりあらかじめ保管者の承認を得た場合は、この限りでない。

(公印の持ち出し)

第8条 公印を持ち出し使用しようとする者は、公印持出簿(様式第3号)に必要事項を記載し、事前に保管者の承認を得なければならない。

2 前項の規定による公印を持ち出し使用する者は、保管に留意するとともに、使用後は直ちに保管者に返還しなければならない。

(公印の印刷)

第9条 公印は特に必要があるときは、これを刷り込むことができる。

2 前項の規定により公印を刷り込もうとするときは、学校教育課長と協議しなければならない。

(公印の事故届)

第10条 保管者は、その管理する公印について事故が生じたときは、直ちに公印事故報告書(様式第4号)を学校教育課長を経由して教育長に提出し、その指示を受けなければならない。

(使用しなくなつた公印の保存)

第11条 学校教育課長は、第6条の規定により改刻または廃止した公印の引き継ぎを受けたときは、次の各号に掲げる期間保存し、保存期間を経過したものは、裁断、焼却等の方法により処分するものとする。

(1) 委員会印、委員長印、教育長印およびその他の職印 5年

(2) 前号に規定する以外の公印 1年

2 保存期間中の公印は、その保存を厳正にし、保存場所を明確にしておかなければならない。

(補則)

第12条 この規則に定めるもののほか、この規則の施行に関し必要な事項は教育委員会が定める。

付 則

この規則は、昭和47年4月1日から施行する。

附 則(昭和49年3月30日教委規則第2号)

この規則は、昭和49年4月1日から施行する。

附 則(昭和50年10月9日教委規則第7号)

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(昭和51年3月28日教委規則第11号)

この規則は、昭和51年4月1日から施行する。

附 則(昭和59年12月1日教委規則第9号)

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(昭和60年4月1日教委規則第3号)

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(昭和63年4月1日教委規則第3号)

この規則は、昭和63年4月1日から施行する。

附 則(平成2年4月16日教委規則第2号)

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(平成4年1月21日教委規則第1号)

この規則は、平成4年4月1日から施行する。

附 則(平成5年6月30日教委規則第3号)

この規則は、平成5年7月1日から施行する。

附 則(平成8年4月1日教委規則第1号)

この規則は、平成8年4月1日から施行する。

附 則(平成8年6月27日教委規則第6号)

この規則は、平成8年7月1日から施行する。

附 則(平成15年11月21日教委規則第6号抄)

(施行期日)

1 この規則は、平成15年12月2日から施行する。

附 則(平成16年2月19日教委規則第2号)

(施行期日)

この規則は、平成16年4月1日から施行する。

附 則(平成17年9月30日教委規則第3号)

この規則は、平成17年10月1日から施行する。

附 則(平成27年3月13日教委規則第2号)

(施行期日)

1 この規則は、平成27年4月1日から施行する。

(旧教育長が在職する場合の経過措置)

2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第76号)附則第2条第1項の規定により教育長がなお従前の例により在職する場合においては、改正後の飯田市教育委員会公印規則の規定は適用せず、改正前の飯田市教育委員会公印規則の規定は、なおその効力を有する。

別表 (省略)




5 情報管理の概要

学校現場において学校情報や児童生徒の個人情報が流出する等の事故が発生するなど、学校における情報管理の重要性が高まっている。校務の情報化を含め、学校におけるICT の活用を推進する上で、情報セキュリティの確保は極めて重要である。このため、学校が保有する具体的な情報資産の取扱いを定め一人ひとりの教職員がその取扱いを確実に遵守するため、学校現場の状況に応じた情報セキュリティポリシーが策定されているので、すべての学校において適切に運用することが望まれる。

(1)情報セキュリティの基本

「情報資産」を守るためには、情報セキュリティの基本概念を理解しなければならない。

一般に、情報セキュリティとは、次の3要素を確保することと定義されている。

要素 内容説明 機能しないときの発生事例
機密性(Confidentiality)

 

情報へのアクセス権限が制御され、許可された者だけがその情報にアクセスし使用できる 不正アクセスによる漏えい

ネットワークへの侵入

完全性(Integrity)

 

報資産管理方法に間違いがなく、情報そのものを改ざんする余地がない 入力と出力の相違

信頼性の喪失

可用性(Availability) 情報にアクセスしたいときにアクセスできる状態 システムダウンが起きる

頭文字をとって情報セキュリティの「CIA」といい、国際規格とそれに準拠した日本工業規格(JIS)にも取り入れられている。

「情報資産」を守るためための対策を講じるうえで、この情報セキュリティの3要素を確保しつつ、次の2点を勘案して管理を行う。

ア 情報に対するどのような脅威が存在しているのか

イ その脅威に対してどのようなぜい弱性があるのか

(2)情報管理手法の変遷

以前の情報管理は紙媒体である書類の管理が主で、機密書類はマル秘の印を押し、金庫等に厳重に保管すればこと足りた。

しかし現在は、ICTの発達により記録媒体が進化し、紙の管理からデータの管理へその方法が大きく変化している。

電子データの管理が、紙の管理と異なる点は次のとおり。

ア 目に見えない

イ 持ち運びが容易

ウ 複製の作成が容易

エ データの受け渡しが容易

このような特徴から、現在の情報管理は以前のような紙での管理の考え方から、電子データ管理を中心とした、ネットワーク・機器をも包括した管理手法となっている。

(3)情報セキュリティポリシーの構成

一般的に、情報セキュリティポリシーは、「基本方針」「対策基準」「実施手順」の3つから構成されている。飯田市立小・中学校における情報セキュリティポリシーについては、以下(4)項以降で具体的に記述するが概要は次のとおりである。

information security policy01

(4)飯田市立小中学校における情報セキュリティ対策

平成20年度に教育委員会が小中学校を対象とした情報セキュリティポリシーを定めている。

飯田市立小中学校情報セキュリティポリシー 情報セキュリティ基本方針 特徴

①セキュリティポリシーは基本方針と対策基準をいう

②紙媒体の情報も含む

情報セキュリティ対策基準
※情報セキュリティ対策手順については、個々に定める

(5)情報セキュリティ各種手順書の体系

情報セキュリティポリシーに基づき、平成23年から各種手順書モデルが体系的作成され、以降、数度の改定を行っている。ICT環境は日々進展しているためリスクも変化し、対応する手順書も随時改定されている。

なお、「セキュリティ対策手順(教職員用)」が他の手順書の統括規程になっているので、一読することでセキュリティー対策の基本や概要が理解できる。

※内容現在 平成25年4月1日

対象 対策手順名称(飯田市立○○学校)

[略称  ○○手順]

記述内容、対策範囲の概要
一般教職員 児童生徒 管理者・技術者
(○) (○) 情報セキュリティ対策手順(教職員用)
(別紙)情報資産分類表
情報セキュリティ7箇条[略称 セキュリティ対策手順(教職員用)]
各種対策手順の統括手順
情報資産の分類・取扱い、個人情報保護、情報端末・公務用USBメモリ取扱い、児童生徒の情報処理・端末利用、パスワードの設定・管理、インターネット利用、電子メール使用、ウィルス対策、知的所有権遵守、トラブル処理、職員教育訓練、罰則 等
重要性レベル3以上の情報資産名称、管理者、形態、保存場所 等
(レベル2以下の情報資産は文書分類表による)
職員用情報端末及び公務用USBメモリ貸与に関する手順

[略称 貸与手順]

パソコン・公務用USBメモリ等貸与手続、管理・使用、セキュリティ保持義務、データ保存、設定変更禁止、返却手続、盗難・紛失対策、情報持ち出し手続 等
情報管理者・担当者の職務 等
(○) 機密情報の取扱い手順
(別紙)個人情報の取扱いについて
個人情報取扱事務委託基準[略称 機密情報手順]
機密情報=重要性レベル4(個人情報)の日常的な取扱い、持ち出し、個人情報管理、職員転退任時取扱い、漏えい時対応、個々の機密情報取扱い明示 等
(○) 電子データ取扱い手順

[略称 電子データ手順]

電子的・磁気的情報の特有の取扱い
記録媒体の種類、電子データの分類・管理・廃棄、ネットワーク構成、サーバ等の設定、外部記憶媒体(USBメモリ等)設定・配置・管理、電子メールの保存・廃棄 等
(○) インターネット利用手順

[略称 インターネット手順]

インターネットの取扱い、私的利用禁止、セキュリティー対策、電子メール設定、代表アドレスでの処理、個人情報の送信禁止、フリーメール使用禁止、ホームページ作成・公開の手順 等
(○) 児童・生徒が扱う情報の管理に関する手順
付.小中学校別パソコン教室使用マニュアル[略称 児童生徒手順]
児童・生徒自身が利用する情報資産・情報機器の取扱い
個人情報保護、端末使用注意、ネチケット理解、インターネット安全な利用、電子メール利用注意、ダウンロード禁止、知的所有権・不正アクセス禁止、その他啓発 等
※技術的対策手順(ネットワークセンターの支援・指示により帳票等を作成する。モデル規程はない。) ①サーバー管理…管理者、入退室記録、RAID設定、アクセス権設定、アクセスログ記録、データバックアップ、トラブル時の対策、UPS設定

②ネットワーク管理…セグメントの分離、IP等設定表、パスワード管理表、電子署名暗号化設定、無線LAN対策

③ノード管理…IP等の設定、ウィルス対策、パッチの一斉更新、リカバリー対策手順

④機器管理…盗難防止対策

⑤ソフトウェア管理…ライセンス管理、更新経過、インストール設定

⑥システム維持…システム改変記録

⑦教育訓練…研修実施要項、テキスト  等

(6)各学校における各種手順書の整備

ア 当手引に登載されている各手順書は標準的なモデル規程であり、各学校においては当該校のセキュリティ対策を加えて作成することになっている。(対策基準2-(2)、(3))

イ 各学校で作成した各種手順書は、指示された期日までに教育委員会へ提出する。

ウ モデル規程となっている手順書は随時改定されるので、最新の手順書を用いて改定し、学校のセキュリティ対策を常に見直す。

(7)職員への研修

ア 情報セキュリティポリシー並びに各種手順書は、学校運営計画や学校規程集等に登載し、職員が常に研修できるようにする。

イ 「飯田市立小・中学校教職員のための個人情報保護情報セキュリティ対策ハンドブック」(平成26年10月発行)も活用する。

ウ 職員への研修は次の例を参考に効果的に行う。

情報セキュリティに関する研修の年間計画(一例)

4月(年度当初) 情報セキュリティに関する基本的事項周知、「セキュリティ対策手順(教職員用)」の読み合わせ、USBメモリ等を持ち出しする際の手続き確認
8月(夏季休業等) セキュリティポリシー、各手順書の読み合わせ(年度当初でもよい)
2~3月(年度末) 職員が異動、退職する際の情報資産の取扱いについて
その他(必要に応じて) チェックリスト等を用い、決められた手順通りに処理されているかの確認、情報セキュリティに対する意識啓発

エ 情報管理者(校長)・情報化担当者等各校で情報セキュリティーの運用・管理に携わる職員は、様々な機会を捉えICT、情報セキュリティに関する研修会や講習会に参加する。

 

参考文献

「学校情報管理ポリシーガイドブック(案)」(2015年3月 総務省)

「学校における情報セキュリティについて」(平成25年7月 文部科学省)




6 飯田市立小中学校情報セキュリティ基本方針

平成20年11月20日

飯田市教育委員会決定

1 目的

飯田市立小中学校は、児童・生徒及びその保護者の個人情報や学校運営上重要な情報等、多くの情報資産を蓄積し、保有している。これらの情報資産は、児童・生徒及びその保護者の生命、財産並びにプライバシー等を守るためにも、また、継続的かつ安全な学校運営を行うためにも、故意や過失による情報の改ざんや漏えい、情報システムの故障や不具合、自然災害による被災等から確実に保護しなければならない。また、校内のみならず、学校外との交流等、広く情報通信技術(以下「ICT」という。)を活用した情報教育を推進するためには、高度に安全性を有したネットワークや情報システムの構築及び運用が必要不可欠な前提条件となる。

このようなことから、飯田市立小中学校はセキュリティ事件、事故を未然に防止するとともに、セキュリティ事件、事故による被害を最小化・局所化し、さらに、セキュリティ事件、事故の再発を防止するため、飯田市立小中学校セキュリティポリシーを定め、情報セキュリティの確保に最大限取り組むこととする。

2 定義

(1)情報セキュリティ

学校業務に用いる情報システム及びデータについて、以下の3つの性質を満足させることをいう。

ア 機密性

情報の閲覧又は使用を許可された者だけが、閲覧又は使用を行えることをいう。

イ 完全性

情報処理の方法の正確性及び情報の完全性を保証することをいう。

ウ 可用性

情報の使用を許可された者が、必要なときに情報を閲覧又は使用できることを確実にすることをいう。

(2)職員

地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第31条に規定する職員及び教育委員会の事務部局の職員をいう。

(3)学校ネットワーク

飯田市立小中学校を相互に接続するための通信網、その構成機器(ハードウエア及びソフトウエアを含む。)及び記録媒体で構成され、処理を行う仕組みをいう。

(4)情報システム

学校業務に用いるコンピュータシステム(ハードウエア及びソフトウエアを含む。)並びに情報を電磁的に記録する媒体で構成された、業務処理を行う仕組みをいう。

(5)情報資産

学校ネットワーク及び情報システムの開発と運用に係る全ての情報並びに学校ネットワーク及び情報システムで取り扱う全ての情報をいう。なお、情報資産には紙等の有体物に出力 ,された情報も含むものとする。

(6)アクセス

ネットワークを介して他のコンピュータと接続し、使用者認証手続等を使用することにより、コンピュータ間で情報の転送や利用ができる状態にすることをいう。

(7)データ

コンピュータによる情報処理の対象となる事実、状態、条件等を表す数値、文字、記号をいう。

3 情報セキュリティ対策の構成

(1)飯田市立小中学校の情報セキュリティ対策は、次に掲げるものから構成するものとする。

ア 情報セキュリティ対策に関する統一的かつ基本的な方針について規定する「飯田市立小中学校情報セキュリティ基本方針」。

イ 基本方針を実行に移すために必要な全ての情報関係業務に共通する対策を規定する「飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準」。

ウ 個別の情報関連業務のセキュリティ対策を規定する「飯田市立小中学校情報セキュリティ対策手順」

(2)「飯田市立小中学校情報セキュリティ基本方針」は、飯田市立小中学校の情報セキュリティ対策の最高位に位置するものである。また「飯田市立小中学校情報セキュリティ基本方針」及び「飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準」を総称して「飯田市立小中学校情報セキュリティポリシー」という。

4 対象範囲

飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーの対象範囲は、飯田市立小中学校とする。

5 職員の責務

(1)飯田市立小中学校が保有する情報資産を取り扱う全ての職員(非常勤職員及び臨時職員を含む。以下「職員」という。)は、飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーを遵守しなければならない。

(2)職員は、外部委託業者に業務を委託する場合(指定管理者に公の施設を管理させる場合を含む。)は、契約等を通じ飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーを遵守させるために必要な措置を講じなければならない。

6 情報セキュリティ対策の推進体制

飯田市立小中学校における情報セキュリティ対策については、次に掲げる職員又は組織により管理及び推進を行うものとし、その職務内容は、それぞれ定めるとおりとする。

(1)最高情報統括責任者

飯田市立小中学校における全ての情報システム、情報資産及び情報セキュリティ対策に関する最終決定権限及び責任を有する最高責任者とし、教育長をもってこれに充てる。

(2)情報統括管理者

飯田市立小中学校における情報セキュリティ対策に関する適正な運用を管理し、情報管理者を統括する。教育次長をもってこれに充てる。

(3)情報管理者

各学校が作成し運用を行う情報資産に関する管理責任者とし、各学校の長をもってこれに充てる。

(4)情報化担当者

各学校の情報セキュリティ対策に関する推進担当者とし、原則として各学校ごとに選任を行う。

(5)飯田市立小中学校情報化推進本部

飯田市立小中学校における情報化の推進を目的として、教育長が任命した者で構成し、情報セキュリティ対策について重要な事項の審議を行う。

(6)飯田市立小中学校情報化推進本部情報セキュリティ専門部会

飯田市立小中学校における情報セキュリティ対策の推進を目的として、飯田市立小中学校情報化推進本部に設置されたもので、情報セキュリティポリシーの策定及び変更に関する審議等を行う。

information security policy02

7 情報資産の分類と管理方法

(1)情報資産をその重要度、脅威の発生度合いに応じて分類し、それぞれに対応したセキュリティ対策を講ずる。

(2)前(1)に関し必要な事項は飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準に定めるものとする。

8 セキュリティ対策

情報資産を脅かす脅威から情報資産を保護するために、以下の情報セキュリティ対策を講ずるものとする。

(1)人的セキュリティ対策

ア セキュリティ対策に関する権限や責任を規定する。

イ 全ての職員及び外部委託事業者に飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーの内容を周知徹底する。

ウ 飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準に基づき、十分な教育及び啓発が講じられるように必要な対策を講ずる。

(2)物理的セキュリティ対策

コンピュータシステムを設置する施設への立入り、情報資産を損傷、妨害等から保護するために、飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準に基づいて物理的な対策を講ずる。

(3)技術的セキュリティ対策

情報資産を外部からの不正なアクセス等の脅威から適切に保護するために、飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準に基づいて情報資産へのアクセス制御、ネットワーク管理等の技術面の対策を講ずる。

また、緊急事態が発生した際に迅速な対応を可能とするための危機管理対策を講ずる。

(4)運用におけるセキュリティ対策

飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーの遵守状況について、飯田市立小中学校情報セキュリティ対策基準に基づいて確認し、運用面の改善を行う。

9 情報セキュリティ対策の評価及び見直し

(1)情報セキュリティ対策は、策定することによって完結する一過性の取組みではなく、策定後の日常的な取組みにより確保されるものである。その実施状況を常に検証するとともに、情報セキュリティを取り巻く状況の変化に対応するため、情報セキュリティ対策の見直しを適宜行う。

(2)情報セキュリティ対策の実効性を情報セキュリティ専門部会で協議し、飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーの内容変更に関して、飯田市立小中学校情報化推進本部に提案を行う。

(3)飯田市立小中学校情報化推進本部は、飯田市立小中学校情報セキュリティポリシーの変更内容を審議し決定する。

10 児童・生徒への対応

飯田市立小中学校長をはじめとして飯田市立小中学校が保有する情報資産を取り扱う全ての職員等は、授業又は教育目的で情報資産の使用を児童・生徒に認める場合は、児童・生徒向けの学校情報セキュリティ対策基準に従って、遵守すべき事項を児童・生徒に明示しなければならない。

11 関連法規の遵守

職員は、次に掲げる法令等のほか関係法令等を遵守して、情報資産を職務の遂行に用いなければならない。

ア 地方公務員法(昭和25年法律第261号)

イ 著作権法(昭和45年法律第48号)

ウ 不正アクセス行為の禁止に関する法律(平成11年法律第128号)

エ 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)

オ 飯田市個人情報保護条例(平成17年条例第16号)

(1)情報セキュリティ対策の規定に違反した職員は、法令等の規定に基づき、懲戒処分等の対象となる場合がある。

(2)前号の場合で、飯田市に財産的損失が生じたときにあっては、当該職員は必要に応じて生じた損失について賠償をしなければならない。

 

<履歴> 平成20年11月20日 策定